うつ病による休職は家族への罪悪感で休養とは言えないかも?治療のため主治医に診断書を書いてもらい休職するも、復職はおろか、退職の危機感さえ高まる。うつ病になったこと‥‥この、人生最大の危機を克服できるのだろうか。うつ病発症から休職と復職の過程で家族とのあつれきについて語るブログ
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うつ病患者が語る復職後の注意点


復職はゴールではなくスタート。
うつ病になって、休職と治療に専念した先に復職という、ひとつのステップに到達するとそれがゴールであるかのように感じてしまい、ひいてはうつ病が完治したと錯覚してしまう人が少なくありません。

もちろん、復職できたことは大変喜ばしいことには違いないのですが、本当に大事なことと大変なことは、復職後の人生なのです。そういうわけで、うつ病発症から休職を経て復職しようとするあなたに私からのアドバイスです。
さあ今日から復職します。といった段階の人に向けた具体的なメッセージとなります。


真面目に仕事のことを考え、苦労の上に苦労を重ねてようやく職場復帰されたことに対する感慨はひとしおのものがあると思います。ただ、復職は本当にまだ実験段階なのです。

まず、復職後の初日。「昨晩の寝付きがちょっと悪かったり、朝のテンションが下がっているのに無理をしてきたり、食事も無理やり半ば流し込むように摂って、久し振りの満員電車に揺られて、ようやくたどり着いた職場でもうあなたは、ヘトヘトなはずです。

復職開始日は、まずお世話になった上司にお礼と挨拶。そして数ヶ月間離れていた自分の椅子に座って、貯まったホコリを掃除したら帰るくらいのつもりでいて下さい。

今日一日、仕事に出てきたから、明日からはまた休んで良いというわけではないのは当然わかっていると思います。そうです、これからはコンスタントに出勤することを求められるのです。初日から飛ばしたら絶対もちません。エンジン全開で仕事をするのはもっと先で良いのです。

また、復職時には必ず医師の「軽減勤務(制限勤務等)を要する」旨の診断書を貰っておいて下さい。大体の企業の場合、そのような軽減勤務・制限勤務等を設けてあると思います。そして、その軽減勤務の中身は会社によって違うとは思うのですが、仮に「週に一度の休養を認める」等の休みをとっても問題とならない制度はあると思います。

おおむね、そのような軽減勤務が許可されるのは3ヶ月が多いと聞いています。場合によってはもっと長く軽減勤務を認める会社もあるとは思うのですが、一般的に3ヶ月のようです。

この時期については、軽減勤務をフル活用して下さい。遠慮は全くいりません。
休職中と違い復職してからは多くのストレッサーに身も心ももまれます。「睡眠」「うつ病特有の朝の憂鬱感」「食事」「通勤時の体力」それに「日中の気分の安定」この5つの要素の一つでも崩れると出勤は非常につらいものとなってしまいます。

特に大切なのは、睡眠とうつ病特有の朝の憂鬱感です。休職中であればそういったことを感じたら横になっていたりしたのではないかと思うのですが、その二つを我慢して出勤した場合、あらゆる要素がなし崩し的に壊れていきます。ですから、とにかく無理せず「軽減勤務等」を十分に活用してまずは自分を守る方法をこの時期に身に付けて下さい。

この時期は仕事をする時期ではありません。まずは一旦は崩れてしまった「出勤が加わった生活リズム」を再構築する時期なのです。間違ってもこの時期に仕事を求めないで下さい。

また、あなたが今通院されている病院が会社の指定する病院とは関係ない場合、そういう「軽減勤務」等を決めるのが産業医であることが多いでしょう。会社に産業医がいる場合は、必ず復職後は上司と産業医の意見を聞いてみて下さい。

産業医は会社の職務内容をよく把握しています。復職が出来たとしても今現在どの程度負荷がかかる仕事が可能かも判断してくれると思います。恐らく、産業医がいる場合はあなたが言わなくても上司が産業医に診察を受けるよう手配してくれると思いますが、上司が言わない場合は、自分から産業医の意見を聞きたいと上司に話してみて下さい。

この時期は仕事をする時期ではないと書きましたが、現実的に出勤して職場に行ってみたら仕事が無い……と感じる方が多いみたいです。けれども、仕事を上司に求めるのは上司を困らせるだけなので、絶対にしないで下さい。「仕事が無いから、仕事に行く意欲が湧かない」と言う方が多くいるのも事実ですが、その気持ちも分かるのですが、今はまだ、本当に不安定な状態でかろうじて出勤できているのです。

たしかに、職場で仕事が無いと退社時間までが暇に感じるかもしれません。でも、今は上手く行っているかもしれませんが、場合によっては、頑張って朝の憂鬱感と戦っているだけに、予想している以上に疲労が貯まることだってあるのです。

また、必ずしも眠れるという訳ではないのです。どうしても時間が余って仕方ないのならば、今まで休職していた間に変更となった手続きだとか、新たに制定された手続きだとか、社内文書を読み漁って誰よりもそういう通達に詳しくなるくらいで本当に十分です。

さて、ここからは復職スタート後に業務の軽減措置を受け、いよいよ通常勤務にシフトしてゆく人に向けた話です。

慎重に慎重を重ねて、軽減勤務期間を無事に乗り切った方。本当にお疲れ様でした。この軽減勤務期間で何が一番つらかったか考えたら、恐らく「仕事が無い」ことではなかった復職後の闘いは本当の意味では通常勤務に戻ってから始まるのです。心得ておいて下さい。

場合によっては、制限勤務とか軽減勤務期間を「暇」だとか「することが無い」とかで、退屈な日々を過ごされた方も多いのではないかと思います。ただ、ようやく軽減勤務を終えて、通常勤務に戻られた方。状態が安定しているのであれば、本当にホッとされていることと思いますが、職場復帰においての闘いは本当の意味で、ここからがスタートなのです。

間違っても「通常勤務が可能」等の診断書が出たとしてもすぐに残業したり、突然担当業務を増やして欲しい等の要求はしないで下さい。ここからは、上で書いた「睡眠」「うつ病特有の朝の憂鬱感」「食事」「通勤時の体力」「日中の気分の安定」が自己管理として委ねられただけです。通常勤務に戻ったからと言って、それが寛解を意味している訳ではないことを肝に銘じておいて下さい。

それでは、通常勤務に戻ったら何をすべきか簡単に書いていこうと思います。

まず、大切なことはコンスタントに出勤することなのです。理想は「定時出勤・定時退社」にあることは言うまでもありませんが、とにかくうつ病は波がある病気です。「辛いから休む」ということは大切なことだと思いますが、通常勤務に戻ったならば、今までの自分の辛い時のパターンをよく思い出して出勤リズムはきちんと構築して下さい。

朝つらく感じても、午後5時過ぎまでつらいということはそれほど無いと思うのです。当然午後5時過ぎまで辛い状態であるのに無理して出勤しろ、と言っている訳ではありません。ただ、朝、定時出勤するための時間に辛かったり、眠剤が残ってしまって起きられなかったとしても、気分が改善したり、眠剤が切れて気分が上がってきたら、基本的には遅刻してでも出勤して頂きたいのです。

「調子が悪いから休む」と決めてしまうことは、ある意味必要です。それは心の負担をある程度は軽くしてくれるものですから……。

しかし、「調子が悪いから休む」と決めてしまっても、明日の朝調子が良いという保証はどこにも無いのです。「明日から立て直そう」という気持ちは結局は通常勤務に戻っても実はそれは「焦り」であったということを証明してしまうだけです。

とにかく無理は禁物です。アクセルを一切踏まずブレーキを踏み続けながら前進するトロトロ速度の車のように、自分を意識することが必要です。

朝調子が悪くても、朝眠剤が残って起きれなくても、基本的に「行けば何とかなる」ものです。早々と休むことに結論を出さないで「遅刻してでも行く」というひとつの意識付けをして下さい。休むことより、遅刻する方が、その場では実は勇気がいるものです。但し、休むと決めた場合は、翌日の朝「昨日休んだ」ということが一つのネックになることは間違いありません。
どうしても、無理だという日以外は、基本的には定時出勤・定時退社。朝辛かった時には遅刻。このことは基本的には頭に入れておいて頂きたいと思います。

通常勤務に戻ったとはいえ、まだまだあなたは、抗鬱剤、安定剤、眠剤等の補助を受けているものと思います。今までは、制限勤務等のきっちりとした退社時間が定められた中でお仕事をされていたことと思いますが、通常勤務に戻ったからと言って時間管理をルーズにしろと言っている訳ではないのです。お薬を使っている間は基本的に出来る限り残業はしないで下さい。

お仕事柄どうしても残業が必要な場合、まずは30分ぐらいから、それも2週間程度続けて体調に影響が出なければ、更に30分残業時間を足すことは医者との相談の上で決めたことならば構わないと思います。
ただ、もしあなたがお仕事のし過ぎでストレスがかかり過ぎて「うつ病」になったのならば、本当に気を付けて残業をするようにして下さい。



現実的な問題としてそろそろ触れておこうと思います。通常勤務に戻って(場合によっては制限勤務として職場復帰したらすぐに感じる方もいらっしゃるかと思いますが)、仕事があまりなくて、暇を持て余したりしていると、休職中にはあまり気にならなかった、給与について、気になりだすこともあるかと思います。

これは給与が低いという問題ではなくて、「何もしていないのに給与だけ貰っている」という一種の罪悪感についての話です。これについてはあまり気にして欲しくないのですが、どうしても気になるようでしたら「会社に出てくることが、定時出勤であれ、遅刻であれ、給与をもらえる最大の根拠なんだ」と考えて下さい。

仕事なんてものは常に忙しいものではなく、中には忙しい振りをしている方だってたくさんいるのです。自分が会社にいることが給与をもらえる当然の権利だと思って罪悪感から、仕事を求めるようなことは絶対にしないで下さい。

一番大切なのは、会社のあなたの上司が「もうあなたは大丈夫」と信頼をもらえるようになるのが本当に大切なことなのです。余計な枝葉に目を奪われて、焦らないで欲しいと思います。
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