近年、職場のメンタルヘルス対策と聞く。
職場の従業員が心の健康を維持することで生産性を上げモチベーションを維持して仕事の達成感を味わい、結果として会社の業績に寄与するという理想的な循環。なーんて……そんなの机上の論理だろう?
なぜなら、うちの職場のプロジェクトチームでは総勢10名のうち6名がメンタルヘルス不全だからね。
そんな中、今週はいいことがありました。
私もこのプロジェクトチームに在籍してうつ病を発症してしまった一人ではあるが、うつ病になったのは他にも居る。
それで、うつ病になったメンバーのひとりが、職場復帰してきたのです。
もちろんリハビリ出勤の段階ですが、うつ病による休業後、復職プログラムのガイドラインに沿って職場復帰してきたのです。
うれしかった!
彼がうつ病で休職されたときは、私がプロジェクトマネージャーをしていたのでかなり責任を感じていた。
復職した彼の顔色は非常に良かった。うつ病を発病したときに比べると…。昔の彼の表情に戻っていた。
プロジェクトチームは私を入れて総勢9名、彼をいれて10名。
職場のメンタルヘルスという視点で部下の状況を説明すると…
うつ病等のメンタルヘルス不全で精神科や心療内科にかかっている部下は4名
メンタルヘルス不全であるらしい部下は2名
職場のメンタルヘルス不全が直接的間接的原因による退職者1名
退職予備軍は1名
言葉は悪いが心が健康なのは2名のみ…。
プロジェクトチームにメンタルヘルス不全者が続出した当時、こんなに精神が病んでいるメンバーに覆い被さる過酷な仕事量。
過酷な納期厳守。
過酷な空残業と持ち帰り残業。
メンバーの精神状態を考えた行動とは思えない会社の企業風土。
職場のメンタルヘルスとは名ばかりで、モチベーションが下がる、悪くなるばかり。私は今でもこのときの光景や気持ちが忘れられない。
職場のメンタルヘルス対策は従業員のための内向きなものなのか?
職場のメンタルヘルス対策は企業の社会的責任をアピールするための表向きのものなのか?
職場に是非を問いたい…というものの。
私はひとりのサラリーマンであった。
たとえ自分がうつ病になっても家族の生計を考えれば毎月とどこおりなく給料を振り込んでくれる会社はありがたい。
うつ病になっても仕事があることはありがたいこと。
そういう職場に波風立てたくないのは古典的なサラリーマンの気風なのであった。
物言えぬ中間管理職…情けないが、事実、そうである。
私にできることは自分がうつ病であるからこそ、会社が理解しかねるメンタルヘルス不全者への現実的対応を、良き理解者として部下と接点を持つことだろう。
自分が苦しい分、理解してやれるスキルはあるんじゃないだろうか…