うつ病で休職することは悪ではない

うつ病によって休職する事実をどう受け止めれば良いか？そんなことについて書こうと思います。

ケースとしては、休職および長期自宅療養を選択された方。もしくはその選択に迫られている方についてです。
仕事に就かれてから、数年でうつ病になってしまった人。この年代の人なら「医者から――ヶ月間の自宅療養を要する」という診断書を出されたならば、遠慮せずに会社に診断書を提出してゆっくりと休養を取って欲しいと思います。この年代の人は、場合によっては上司としっかりとコミュニケーションが取れていなかったり、コミュニケーションがしっかり取れていたとしても慣れない仕事を一生懸命頑張ってきて疲れてしまった人が多いのではないかと思います。

うつ病になってしまった原因はあなたではないのです。それまでの一生懸命な姿勢でちょっと全体的に疲れてしまっただけです。会社も診断書を提出すれば「心と体にムチを打ってでも出社しなさい」とは絶対言わないはずです。

今までの数年の苦労をここで捨てるのはいかがなものでしょうか？
この年代の人がうつ病になった場合の特徴は、会社からは休職を認められても、うつ病の症状も相まって「私にはこの仕事の適性がないのではないか？」という気持ちになって退職することを考える傾向にあります。

辞めるのは簡単です。けれども、会社を辞めればうつ病が治るのではないのです。うつ病を治すのは退職ではなく休養であり休職です……。さらに、しっかりと寛解するまで治療を続けないと、回復して転職したとしても場合によっては再発してしまう可能性だってあるのです。

社会人になってからは、月単位で休む機会はまずありません。長期間、会社を休むことは〝悪〟頑張ることが〝正義〟そういう無意識を捨て去ることが自分の人生を生きるための大前提なのだと思うのです。

今まで一生懸命頑張ってきて疲れてしまっただけなのですから、まずはしっかりと休養を取って、しっかりと治療を受けて寛解することを目指して欲しいと思います。仕事もひととおり覚えて、一人前となり、担当の仕事も任されて、職場で戦力と認められてる者にとっては、うつ病と診断されてしまう結果については非常に残念だと思います。戦線離脱の烙印を押されたような？　この私もそのような悪夢であろうか？症状なのか？とにかくよくわからない、そしてとにかく重い重い気持に体が沈み込んでいくような経験をしました。

しかし‥あなたが職場で欠くことのならない戦力だからこそ、しっかりと休養を取って復職できるように、体調を立て直さなければなりません。診察で休養を要すると診断されたならば、ご自身で体調の不調をもう気付いているはずです。頑張るのは寛解してからで良いのです。まずはしっかりと心の土台を組み直すことに専念して下さい。

さて、この時期にうつ病を罹ってしまった人は、特に自分の仕事にプライドを持っていらっしゃる方が多いかと思います。自分でなければ分からないこと、自分でなければさばけない仕事があるという自負もあることでしょう 「今休むと、担当業務・担当事務・担当先を外される」等の心配もあるでしょう。「休めば席はない……」会社によってはそのような現実もあるかもしれません。

でも、今のあなたにはそれをこなすだけの元気が残っていないでしょう。うつ病を発症して休職を要するほど状態が悪化したなら責任とプライドを捨てる勇気も必要だと思います。結果として…会社の配慮によって担当業務から外すかもしれません。ただ、それを自分の脱落とは絶対に考えないで下さい。あなたが元気になって戻ってくるまで他の方が、代わりにそのお仕事を担当されるのです。それがチームです。私も、うつ病になってプロジェクトから離脱したしがないSEです。
うつ病を発症、この事実は私にとって…ある意味では仕事と人生の持ち合いについて省みることができる、大きな起点となりました。うつ病が自分に気付かせてくれた大切なことを振り返れば、なんとも悔しいような気持に包まれてしまう今日この頃です。